モノの空間

 5月最後の特別講義の講師は黒川雅之さん。自分はタバコを吸ったりはしないので実物を持っていたりはしないが、GOMシリーズの灰皿などは有名だし欲しくなってしまうと思う。デザインを学んでいたりしていなくても非常に知名度の高い方なので、自分がする紹介はほどほどにさせていただいて、講義の内容を振り返っていきたいと思う。

 

 講義内の出だしから非常にインパクトのある内容のお話があった。それはモノと空間についてだった。

 

 “身の周りには非常にたくさんのモノが溢れている。しかし、このモノたちのほとんどは仕事をしていない状態にある。例えば、このペットボトルも今は飲まれていないのだから仕事をしていない”

 

 液体をその場に保持する仕事をしてるのでは…、なんて言うひねくれた考えは置いておいて、確かに人に対して何か仕事をしているとは言えない。

 ペットボトルが自分の元に届く、と言うか購入してから中身を飲みきって捨てるまでの時間の中で、人が触れている時間というのは非常に小さい。この考えというか、意識は忘れてしまってはいけなものだろう。

 

 

 

 

 

また、上記の内容に関連したことで、自分の頭に残り続けてるものがある。

 

 “モノは使われている状態を考えてデザインされがちだが、使われていない時間の方が多いのだから使われていない状態で置かれている時にどのような空間をそのモノが生み出せるかを考えることが大事なのでは”

 

 この言葉は、大げさに聞こえるかもしれないが、頭を叩かれたような衝撃を感じた。普段、人間工学という、特に使用する時のことを考える分野を中心に学んでいる自分からすると、頭から抜け落ちてしまっていた部分だった。もちろん、人間工学は使う際のことを考えないといけないのだから使う際のことを考えなければならない。だけれども、デザインをするのであれば使われていない際のことも考えなければならない。

 

 加えて、モノの発する空間についての話があった。そのことも非常に響いた。普段ほとんど意識していなかった考え方だったこともあり、モノをデザインする時には必要な考えだと感じたし、この考え方は普段から意識して周りのモノを見ることが必要だと感じた。